株式会社ハピネット

1969年創業以来、玩具を中心に、映像・音楽ソフト、ビデオゲーム、アミューズメント関連商品を、いずれもトップクラスのシェアにて取り扱うエンタテインメント総合商社。人々に感動を提供するエンタテインメント事業を通して多くの方の心を豊かにし、「夢のある明日づくり」によって社会的価値を生み出せる企業を目指す。

設立から52年、東証一部上場企業が初めて「攻めの広報体制構築」に挑戦
広報発で自社データを活用し企画開発、日経等多数媒体から連続で取材依頼を獲得
社会性と新規性の目利き力を身につけ、時流をつかんだ企画を生み出す自立型広報チームへ成長

株式会社ハピネット 経営企画室 経営企画部 広報チーム 大嶋 ゆきみ さま

中間流通業が主軸の黒子的な存在から一転、
世の中への「ハピネット」の認知向上を目的に、社外広報活動強化を設立52年にして本格的に着手


株式会社ハピネット 経営企画室 経営画企画部 広報チーム 大嶋 ゆきみ さま

株式会社ハピネット 経営企画室 経営画企画部 広報チーム 大嶋 ゆきみ さま

当社は1969年設立以来、玩具や映像・音楽ソフト、ビデオゲームなどエンタテインメント商材の流通及び企画販売事業を展開する東証一部上場企業です。約700社のメーカー様から商品を仕入れ、約1,200社の販売店様に販売する業界大手の中間流通企業として成長してきました。
 
主要事業が中間流通業であるため、長きにわたりメーカー様と販売店様の間に立つ黒子的な存在でしたが、時代の移り変わり、そして流通業だけでなく自社商品開発をするメーカー事業にも力を入れ始めた経緯もあり、世の中に「ハピネット」の存在を知ってもらうことへの意識が社内で高まってきました。
 
そのため「企業価値向上」を第一目標とし、会社の認知向上への取り組みを開始しました。これまでスポーツ広告や雑誌広告などに費用を投じたこともありましたが、費用対効果も見えづらく、試行錯誤が続いていました。
 
また、社外広報活動の知見はそこまでない中、しかも兼務で行わなければなりません。そのためこれまでの広報活動も、新商品発売を行うタイミングで事業部が作成したプレスリリースを中身も変えず発表し、日経記者への連絡と兜倶楽部(注釈1)への投げ込みを行う程度の活動しかできていなかったのが実情でした。当社では年に1回の一般の方向けに認知度調査を行っていますが、やはり一般認知度はかなり低いままでした。
 
そしてこれまでの広告や広報活動を振り返り、会社として認知向上のために、地道ながらも長期的に会社の価値を知ってもらう「社外広報活動の強化」が重要だと判断し、広報チームが経営企画部に設立されました。
 
注釈1:兜倶楽部(かぶとくらぶ)は、東京証券取引所の中にある新聞・通信社やテレビ局の記者が常駐する上場企業担当の記者クラブ

再現性のあるノウハウを自社に蓄積できるシプードの家庭教師サービスを採用、
社内には実は「発信ネタが山ほどある」ことが目から鱗だった


シプードを最初に知ったきっかけは朝日新聞でたまたま見かけた「広報の家庭教師」を紹介する記事でした。ネットで会社について調べると、無料の広報担当者向けセミナーがあったので、とりあえずセミナーに行くことに。当時の私は、広報に対しての知識がなかったため、初心者向けの広報にセミナーいろいろと通っていましたが、その中で一番腹落ちをしたのがシプードの広報・PRの基本セミナーでした。納得感があった理由は、シプードがセミナーで話す内容はどれも再現性や汎用性が高いものだったからです。「あ!これならうちの会社でもできるかも!」と純粋に思えたのを今でも覚えています。
 
絶対シプードに広報の支援をお願いしたいと言う思いを込めて上司に提案し、シプードとの広報活動が始まりました。広報活動の開始当初は、まずはシプードと一緒に会社での発信ネタをひたすら洗い出す作業を行いました。この時からすでに「目から鱗」の連続でした。これまで会社として何が発信できるかひたすら模索していた私たち広報チームからすると、「そんなことも発信ネタになるの?!」というものがサクサクと出てきて、リリースの企画がどんどん作られていく様子は圧巻でした。
 
私は新卒でハピネットに入社し、在籍期間はおよそ15年。これまで長くハピネットに関わってきた身であっても、「社会性を捉えた発信ネタ」「記者目線で重要な情報」が会社の中にこんなに眠っており、工夫の仕方次第で発信物にできるのだと実感しました。

クリスマスにあわせ、自社データを活用した玩具の人気商品販売動向を初めて発表、
コロナの巣ごもり需要や人気アニメの影響による消費者動向のリリースがヒットし日経掲載等を獲得、リリース半年後も反響が続く


ハピネット発表『2020 年玩具・ゲーム 当社販売動向に関する発表』より(一部抜粋)

ハピネット発表『2020 年玩具・ゲーム 当社販売動向に関する発表』より(一部抜粋)

2020年11月から支援が開始し、まず初めに行ったプレスリリース発信が12月クリスマスシーズンに合わせ、エンタテイメント業界の消費者動向の発信でした。自社の流通データをもとに分析した2020年の玩具・ビデオゲーム販売動向と、その結果から予測されるクリスマスや年末年始の売れ筋商品に関する消費者動向の調査レポートをプレスリリースにまとめて発信したのです。ちょうどコロナ影響下で世の中は巣ごもり需要が高まっていたうえ、しかも人気アニメ「鬼滅の刃」の大ヒットという潮流を上手く組み合わせられ、エンタテイメント業界自体がコロナ影響下でも盛り上がっていることを示すことができました。
 
このリリースがとにかく反響が大きく、日経新聞や日経MJ等に掲載されそこからテレビ番組でも取り上げられました。またリリース発信から半年以上たってからも、NHKの地方局からお問い合わせが入り放送で紹介されるなど、発信直後だけでなく、長く重宝される情報発信だったことを実感できました。
 
設立52年にして自社のデータを活用した情報発信はこれまでやってきませんでしたが、ここまで意義のあることだと身を持って体感できました。またプレスリリースの反響の大きさにより会社全体にも良い変化が生まれ、事業部側から「今後も数字をまとめてすぐに発信できるよう準備体制を作っておきます」と声をかけてもらうなど、全社として広報に対して前向きに取り組むきっかけを作れたのも良かったことの1つです。このクリスマス前の消費者動向プレスリリースは今後も毎年継続的に発信するハピネットの鉄板リリースにする予定です。

コロナ下における働き方改善の取り組みをまとめて発信、
上場企業が社会変化に対して労働環境改善を発信する意義を実感


ハピネット発表『コロナ下におけるハピネットの働き方の取り組み』より(一部抜粋)

ハピネット発表『コロナ下におけるハピネットの働き方の取り組み』より(一部抜粋)

3月にはコロナ下における会社での働き方の取り組みをまとめた働き方改革プレスリリースを発信しました。発信内容は、時差勤務推奨やペーパーレス化、社内SNSのコミュニケーション活性化などです。シプードから企画提案を受けた時にも、「正直、他社と比べてそこまで先進的な取り組みとも言えないのでは?」と個人的に思っていました。ただこのリリースを出してよかったことは2つあり、1つ目はそもそも働き方改革のリリースを発信する企業が少なかったことで掲載に繋がったこと。2つ目に上場企業として社会の変化に合わせて労働環境の改善の取り組みは、働き方関連を担当する記者にとっては大変貴重であり、かつ、継続的にチェックされる大事な情報だということを知れたことでした。これらのことは、シプードに企画の助言をもらうまで気が付かず、上場企業が発信する内容自体に価値のあることを実感できたのは大きな発見でした。
 
ただし、このリリースを作成するのはとても骨が折れました。人事部門やシステム部門など、多くの部署を巻き込むリリースだったため、情報や取り組みの写真を集めることをお願いするのが大変でした。こういった社内各所を巻き込む場合は、私個人がお願いするよりも、「広報のプロのシプードが発信すべきだと言っているのでご協力ください」とお願いするほうが説得力があり、結果リリース原稿をスピーディに完成させることができました。
 
このリリースの反響も大変よく、日経系の記者からの取材依頼を多数いただけました。また経済産業省が行っている上場企業の在宅率調査に対してもこのリリースの数字を活用することができ、対メディアだけでなく、官公庁とのコミュニケーションにも活用ができたほか、今後の採用広報面での効果も期待できる発信だったとも考えており、様々なステークホルダーに自社情報を届けるまさに「PR=public relations」が体現できたという意味でも、やってよかったと心から思っています。

社会性を捉え記者が求めるリリースの感覚と発信力が養われ、
広報の意義、考え方の基礎、そして再現性ある広報活動力が身についた半年間


シプードに支援に入ってもらった半年間、広報チームも私個人も非常に成長を実感しています。この半年間で、先程述べた2つのプレスリリース以外にも月1本の発信を目標に様々な切り口から広報活動を行いました。特にこれまでにない新しい取り組みで学びになったのは、記者向けに「株主優待説明会」をオンライン開催したことです。内容は、当社の株主優待制度の解説とあわせ、コロナ下でのエンタテイメント業界や消費者動向の解説も行うものでした。新サービス発表や大きな業務提携での記者発表が一般的なイメージでしたが、「業界動向の解説」という切り口で記者向けのプレスセミナーを行うという選択肢があること自体を初めて知りました。この取り組みで、企画から、記者への告知、セミナー運営までの一連流れをシプードのサポートのもと当社の広報チーム主体で行えたので、今後も施策の1つとしてメディア向けイベントを自社で実施していきたいと思います。
2020年1月25日株主優待に関するプレス向け資料より

2020年1月25日株主優待に関するプレス向け資料より

このように、広報活動の幅が広がったことももちろんですが、半年を振り返った時の一番の学びは、そもそもの広報の意義や考え方いう本質的な部分を学べたことだと思います。発信ネタの企画開発やリリース作成時にはメディアが求める「社会性、新規性」という軸を大事にすること、メディアとの関係性作りの重要性といった部分を、半年間の活動を通し自分自身で体感できました。もちろん反響が得られず課題を感じた施策もあります。ただ、そこで次どうしたらよいかを自分で考えられるだけの力がつきました。最近では、他社のリリースが記事化された時には「これはこの切り口が良かったから掲載されたのだな!」と記者目線での分析ができるようになりました。このような自分の成長は、シプードがまさにセミナーで熱く語っていた「再現性のある広報活動力」が身についた結果だと言えます。

広報は裏方で成果が表に出づらい仕事、それでも会社を公の場に引き立たせる立場の意義深い立場、培った広報力を着実に実行し、ハピネットの認知向上に貢献したい


この半年で広報知識も自信もつきました。今後は社会トレンドをとらえた発信ネタを見極め、「ここぞ!」という時にはしっかり発信できるようにすること、そしてプレスリリースなどの情報発信はコンスタントに継続すること、これが広報チームの今後の目標です。緊急性が低いリリースはどうしても他業務の忙しさに負けて後回しになりがちですが、そこは広報としての踏ん張りどころなので、気合をいれて取り組みたいと思います。
 
広報はなかなか地味な作業が多く、裏方的な存在です。リリースを配信してもメディアからの反応もいまいちだと心も折れますし、リリースが大きく掲載されないと成果としても見えづらい仕事だと思います。それでも、自分が作ったリリースが世の中に発信され、思い描いたアウトプットができた時や、メディアと良い関係が構築できたときには非常にやりがいを感じられます。そして突き詰めれば、広報とは世の中のトレンドを追いつつ、トレンド形成の一助になれるような意義深い仕事だと感じています。この気持を忘れず、今後もハピネットの認知向上に広報チーム一丸となって取り組んでいきたいと思います。
株式会社ハピネット

株式会社ハピネット https://www.happinet.co.jp/
市場:東証一部(証券コード 7552)
本社: 東京都台東区駒形ニ丁目4番5号 駒形CAビル
事業内容:
・玩具・遊戯用具の企画・製造・販売
・映像・音楽ソフト等の企画・製作・販売
・ビデオゲームハード・ソフト等の企画・販売
・玩具自動販売機の設置・運営
・アミューズメント関連商品の販売
広報体制:3名

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